1954 美術家の仕事 バレエの舞台装置

まだ、昨年のことだから、おぼえているひとも多いだろう。あのスラヴェンスカ・フランクリン舞踊団がやったバレエ「欲望という名の電車」の舞台についてである。既に映画や芝居によってこの戯曲にしたしんでいたひとびとも、それがバレエになったとき、前記のものの何れともちがった表現の世界をみたにちがいないが、この舞台装置が、また、古典バレエの背景幕にみなれたひとびとにとっては、変った祭賞にみえたことだろう。
あの振付や音楽がつくりだしてゆく、現実と幻想の異様にまじりあう雰囲気は、一枚の写実的に描かれた背景幕によって、強めることができたであろうか。むしろ、あの雰回気をさきえきれずに、写実のむなしい力金みせていたかもしれない。
(後略)

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シンフォニー No.4、昭和29年(1954年)6月