1987 Trio

Trio | 三重奏 | 1987

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都心型の都市再開発地区として、1987年に完成した大崎ニューシティーの中に、本格的なビデオ彫刻として制作したものである。

私の場合、ビデオ・インスタレーションという名称、と。ビデオ彫刻という名称を、それぞれ使い分けている。

ビデオ彫刻という場合は、ひとつの独立した造形的作品であり、その形態に映像力〈組みこまれているものである。今回の「三重奏」は、ビデオ彫刻「バロック」とほとんど同じ時期に構想されたので、形態的にも兄弟のような関係にある。

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とくに「三重奏」の場合は。半介野外の環境に設置されるということもあり、またモニターテレビ以外の本体は、半永久性ということも考え、アルミニュームの鋳造で作ってある。ピラミッド状の基礎の上に、円筒型の本体が立っている。

3つの形は、それぞれ大小があり、その円筒型の中に四角い窓が開いている。この窓の高さもそれぞれ高低があって、この彫刻を見る人びとの背の高さを考えている。

この「三重奏」の設置されている場所は、新しく開館した品川 O(オー)美制強の入口で、ビデオの上映装置と電源のスイッチは、美術館のオフィスの中に設けられている。なお、このフロアはパブリック・スペースとして夜遅くまで人びとが利用するため、ビデオの電源は自動的にオン・オフされるようになっている。

上映される映像は。抽象的図形をもったもので、テンポの早い編集のテープと、品川の海にちなんで、水面のゆらめきを抽象的映像としてとらえ、色彩処理をしたものとが用意されている。

なお。モニターテレビのメンテナンスのため、円筒型の上部が蓑になっていて、装置を取り出すことができるようになっている。また、それに関連してモニターテレビの寿命にブラウン管の交換などの諸問題は、照明器具のランプの交換と同じように考えておくべきだろう。

(山口勝弘「映像空間創造」、美術出版社、1987年、44-45頁、写真:斎藤さだむ)

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