1999 Osaka Housing Information Center Monument

1999年 大阪市「住まい情報センター」マルチメディア・パブリックアート

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市民の行き交う日常生活空間の中に新しいパブリックアートの提案を考え、約半年間にわたり大阪市と地元商店街の意向との調整に費やされた。結果的に天神橋6丁目の交差点近くに2つの計画が実現することになった。

今回計画をまとめた2 つの公共芸術(パブリックアート)は恐らく次のような点からみて注目すべきものと恩われる。その1 つは有名な天神橋商店街と地下鉄駅出入口という立地からみて都市人口の密集地域であり、大阪市民にとっての心臓部に位置しているからである。またもう1 つは従来の彫刻や壁画といった形態のアートではなく、今もっとも新しいアート分野のビデオ映像、サウンドスケープ、ライトアート、ホログラフィアート(3次元立体イメージ)などを総合的に組合せたアートである点である。

いずれの計画にも映像や光や音響の演出が考えられている。つまり従来の彫刻や壁画によるパブリックアートでは不可能な、複合メディアによるデザインが行なわれることになっている。いままで美術館の中だけに収まっていたメディアアートが都市環境の意味を変えていく実験でもある。市民にとっても自分たちの行為と体験の変更を促されることになるのである。例えばテレビモニター内に自分たちの姿が現われたり、ホログラフィーで大阪の他の地域の三次元風景を眺めたりする。

マルチメディアの時代は、モダニズムを生み出した工業社会の旧い枠組みを壊しつつ21世紀の文化と社会への組替えを始めているのである。
新しい分野のアートの表現が美術館ではなく市民の日常的な生活の場の中で見られるというのは世界的なことである。

造形・映像デザイン:山口勝弘
サウンドデザイン:クリストフ・シャルル
ホログラフィ:石井勢津子、久保田敏弘

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大阪市住まい情報センタ一口トンダ・音響ゾフ卜制作意図

大阪市住まい情報センターのロトンダは、ヨーロッパ庭園にあるガラスの温室(ガラスハウス)の様な空間を連想します。ガラスハウスの中の空間は内的空間でありながら、透明な壁が付いているため、庭園という野外空間の一部として存在し、「半野外」です。そこで、人が外側のリアルな環境を意識しながら、内側の別種、異質の空間も楽しめます。一時的に、外側と離れ、束の間のような空間の中で「安らぎ」を体験することが出来ます。

外側の自然光はロトンダの空間を浴びながら、人工光との相互作用によって異質の空間の「安らぎ」を体験します。同様に、外の雑音が明確に聴こえながらも、人工音の発声によってその雑音が異なる意味を持ち、想像力が刺激されます。外側の空間がロトンダの特殊な空間によって吸収され、新しい空間に変容します。その体験をヴィジュアル的に支えているのは、天井にある宇宙船、または鳥の形態をもった立体物です。

音によって、一日を4つの時間帯(朝、昼の時間、午後、夕方)に分けます。各時間帯においては異なる内容の音楽が流れ、異なる音響空間を作り上げます。朝は、巨大なおりの中の鳥の目覚め、昼の時間は、庭園の静かな出来事(落葉、生き物の動きの気配など)午後は都会の喧噪の中から生まれ出る清冽な天空、夕方は遠ざかる風、夜に向かう風景、などの様な音響空間が広がっていきます。

技術的条件(使用音源機器、スピーカの種類や位置)から考えますと、4分ずつの曲が繰り返されます。はっきりとした始まりや終わりがないため、また変化が微妙であるため、「4分の曲が繰り返される」ということよりも、断片的な出来事が現れたり、消えたりするような音の風景に聴こえます。様々な周波数の使用によって、モノラルな音楽でありながら、音が動いているように聴こえます。

(クリストフ・シャルル、1999年7月11日)

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クリストフ・シャルル:作曲・音響調整現場

大阪住まい情報センター・モニュメント計画プレゼンテーション

大阪住まい情報センター・モニュメント計画

大阪住まい情報センター・モニュメント映像ダイジェスト

大阪住まい情報センター・モニュメントソフト制作計画

大阪住まい情報センター・モニュメント公開空地用映像

朝日新聞、2000年2月3日「アートな出来事」