2006 From “Experimental Workshop” to Teatrine

神奈川県立近代美術館_開催中の展覧会>メディア・アートの先駆者-山口勝弘展-「実験工房」からテアトリーヌまで

メディア・アートの先駆者、山口勝弘展:「実験工房」からテアトリーヌまで

Pioneer of Media Art YAMAGUCHI KATSUHIRO: From “Experimental Workshop” to Teatrine
会期:2006年2月4日(土)~3月26日(日)
会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉

1950年代の「実験工房」の時代から現在まで、テクノロジーがひらく新しいアートの可能性を追求してきた山口勝弘。多彩な領域にわたる活動の全貌を、その宇宙的ヴィジョンに注目しながら紹介します。

1928年東京に生まれた山口勝弘は、戦後まもなく、モホイ=ナジなど欧米のアヴァンギャルド芸術に影響を受けて創作活動を開始します。岡本太郎らとの複数の研究会を経て51年に立ち上げた「実験工房」は、作曲家の武満徹や湯浅譲二、美術家の北代省三、評論家の秋山邦晴、写真家の大辻清司など、さまざまな分野の若い芸術家たちによるインターメディアの先駆けとも言えるグループでした。当時の山口を代表するシリーズ「ヴィトリーヌ」は、前面に嵌めた偏光ガラスによって絵の見え方が変化する箱状の作品であり、実験工房の名付け親でもある評論家の瀧口修造に「眼のオルゴール」と評されています。

60年代以降はアクリル板や電気光、布、ビデオやコピー機などさまざまな素材、機材を用いた実験的な作品を国内外で発表する一方、装丁やインテリア・デザインの仕事を手がけ、大阪万博(1970年)の三井グループ館、各地の公共空間・商業施設、また舞台美術などで、映像ディスプレイを中心とする空間プロデュースの仕事を数多く行なっています。さらに複数の大学での教育、ビデオ・アートやテクノロジー・アートの団体設立とイヴェント運営、多数の著述活動など、幅広い領域での縦横な社会との関わりは、まさに先駆者として大きな影響を与えてきました。
多種多様なメディアを用いながらも、60年にわたる制作活動に一貫しているのは、従来の造形美術をめぐる固定観念を跳躍しようとする大胆な「実験」の精神と、社会とのコミュニケーション志向といえるでしょう。しかも、そうした活動の背後には、表現空間を宇宙的な生成の場とみなす詩的なヴィジョンがあり、近年も「舞台としての宇宙」を意味する「テアトリーヌ」のコンセプトの下に精力的な制作を続けています。本展はこの山口勝弘の軌跡を概観する回顧展であり、同時に20世紀後半の日本におけるメディアとアートの一面を検証し、今後の展望を探るものです。

初期作品から、「実験工房」での共同制作作品、1960年代、70年代の多様な素材、技術を駆使した作品、そして最新のテアトリーヌ・シリーズまで、平面・立体・映像作品、映像インスタレーション、印刷物・音源資料等、約100点を展示します。

(報道用資料 2005年12月)

http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2005/yamaguchi060120